一般マスメディアがあまり伝えないことを長周新聞は明確に書いた。
1.現状に対する怨嗟や現民主党政権に対する失望の声が溢れ返っている。
2.ハリス副大統領は、記者との質疑応答に耐えられないので記者会見を一切開かない、プロンプター(台本)なしには演説もできない、政策がコロコロ変わり一貫性がない、あげくはトランプにならって「国境に壁を作る」「不法移民の国外追放」と主張し始めるなど、終始支離滅裂で選挙戦の体をなしていなかった。
3.バーニー・サンダース上院議員(無所属)が言った。「労働者階級の人々を見捨てた民主党が、労働者階級から見捨てられた」
4.民主党支持者の厳しい意見には耳を塞ぎ、共和党のおこぼれ(反トランプ派の票)を意識した選挙戦をやった。
5.二大政党制といいながら、政策的にはほとんど違いがない。
6.民主党は「自由」「人権」「公平」などリベラルの仮面(建前)を付けているだけで、実際は金融資本やネオコン、軍産複合体の利害に尽くす政治を実行し、戦争狂いであることには変わりがない。
7.戦争は歴史的に民主党政権のときに起きている。少なくともトランプは「これらの戦争を終わらせる」と訴えた。
8.「戦争」という最大争点に触れることなく、メディアなどが「女性の権利」「人種差別解消」「性的マイノリティの権利」などの争点を恣意的に作り出し、内実はすっかり形骸化した大統領選(二大政党制)の形を取り繕ったが、それそのものが大きなフェイクだった。それが証拠に、ハリスは「移民出身」「黒人」「女性」を売りにしたが、黒人やヒスパニック系国民からの支持も、女性からの支持も集めていない。
9.アメリカ国民の大多数がトランプにうんざりしていたが、民主党支持者の2割が投票に行かず、横ばいのトランプが勝ったというのが実態だろう。
10.コロナ禍以降、空前の生活苦が社会を覆っている。バイデンが今年初めの一般教書演説で「世界は今、羨望の眼差しでアメリカ経済を見つめている」などと大見得を切ったことで人々の感情を逆撫でした。
11.富裕層が多く暮らす大都市圏では、物価や家賃の上昇が凄まじく、中流以下の低所得層が大量に郊外にはじき出されている。
12.標準的な家庭ですら家を失うケースが後を絶たない。
13.新自由主義経済のもとで、食料や住居などの人間生活の必需品までも金融商品として投機の対象となり、実体経済を支える労働者の生活を脅かしている。
14.米ハーバード大学研究者は、現在は約1000万人が自宅を失った2008年のリーマン・ショック時よりも悪い状況にあり、「このまま放置されると、家賃を支払えない人が増加し、ホームレスに陥るケースが続出する」と警告している。
15.年収1000万円あっても家を借りることすらままならない。
16.国内で「女性の権利」や「移民の権利」をいいながら、国連憲章や国際法をないがしろにして、膨大なパレスチナ人虐殺を支援するのだから支離滅裂。
17.イスラエルのエルサレム遷都を認めて大使館を移転までやったのがトランプであり、強烈な親イスラエル派であることを考えるとパレスチナ問題が一層悪化することが危惧されている。
18.米民主党の崩壊は、支配の側が世界や人々を欺瞞する力を失ったことを意味しており、99%の側、つまり新自由主義によって搾取され、戦争の犠牲にされる人々の連帯もよりグローバルなものになっていく素地が広がっている。
アメリカ社会の矛盾を反映した大統領選 トランプ返り咲きが示すこと 剥がれた「リベラル」の欺瞞 行き詰まる新自由主義 長周新聞 2024/11/19
アメリカを手本のようにしている日本はどうなっていくだろうか? 同じ道を辿るわけにはいかない。