政治資金規正法問題とはそもそもどんな問題か?

東京地検特捜部は2024年1月19日、最大派閥の安倍派の会計責任者と所属議員、二階派の元会計責任者と二階俊博議員秘書、そして岸田文雄首相が会長を務めた岸田派の元会計責任者らを政治資金規正法違反の疑いで立件しました。

安倍派派閥側会計責任者(在宅起訴)
幹部七人は立件せず(不起訴は5人)
安倍派所属議員大野泰正議員、同議員秘書(在宅起訴)
谷川弥一議員、同議員秘書(略式起訴)
池田佳隆議員、同議員秘書(1月7日逮捕)
二階派派閥側元会計責任者(在宅起訴)
二階派所属議員二階俊博議員秘書(略式起訴)
岸田派派閥側元会計責任者(略式起訴)

これを受け、1月18日には岸田首相は「岸田派の解散を検討する」と発言しました。

ことの起こりは2022年11月6日の「しんぶん赤旗」が「パー券収入脱法的隠ぺい2500万円不記載岸田派など主要5派閥」と報じたことだった。2018年~2020年に安倍派など5派閥の政治団体が、政治資金パーティーの収入計約2500万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことを報じていた。

報道を受け、神戸学院大の上脇博之教授が、2018~2021年の4年間を調べ直し、自民5派閥の政治団体において計約4000万円の不記載があったとして東京地検に告発、2023年11月、東京地検特捜部が派閥の担当者らを任意で事情聴取していることが明るみに出た。

裏金の使い道

収支報告書に記載せず、裏金にしていた資金は何に使ったのか。安倍派幹部ら疑惑議員は「捜査中」を理由に、ずっと説明を拒んできた。

特捜部は2024年1月19日、安倍派と二階派、岸田派の会計責任者や元会計責任者、大野泰正氏と谷川弥一衆院議員ら計8人を立件した。

特捜部の捜査の結果、2018年以降の5年間で各派閥が収支報告書に記載していなかった金額は、安倍派が13億5000万円、二階派が3億8000万円、岸田派が3000万円であることがわかった。しかし、関与が疑われていた安倍派幹部の議員7人については、共謀を示す証拠が見つからなかったとして立件を免れた。

その結果、自民党内部の議員からも「派閥を全廃すべきだ」という意見が出るようになった。

そこで驚くのは、以前からザル法といわれていた政治資金規正法のザルの目を今国会で自民党は少し変えたことで、本質的な議論を封印してしまった。

国会終了にあわせたインタビューで、れいわ新撰組の山本太郎氏が「犯罪者集団が提出した法案を粛々とこの国会で成立させていくことの意味がわからない」と言っているのはこのことである。

政治資金規正法問題・さまざまな視点