母子家庭からこんなふうに脱したブラジル家族

ブラジルの日本語新聞「ブラジル日報」に面白い記事を見つけた。
見出しは「姉妹が一人の男性と共同結婚生活=新しい愛の形を選んではや5年」という記事。

簡単に書くと、ある農夫が姉妹二人を妻に娶って幸せに暮らしているという話。

ブラジルも一夫一婦制なので、一人の男と二人の女性がポリアモリー(合意に基づいて複数の人と同時に関係を結ぶ恋愛スタイル)でいることが珍しく、話題を呼んでいるとのこと。

なぜそのような関係になったのかは、複雑な過程を経ているようだ。リンクから記事を読んでいくと、「なんでそんな関係になったのか?」はわかりにくいが、最後の文章にヒントがありそうだ。

農業に従事する彼らにとって、家事を分担できることや、不測の事態に対応してくれる誰かがいることは大きな利点だ。彼ら3人の他に、デイカさんの連れ子が2人、マルセロさんの連れ子1人、そしてアナンダさんとマルセロさんの息子が1人の合計7人家族だ。

ブラジル日報

つまり、記事全体を読んで理解できる関係構築はこうだ。

まず、マルセロさんが最初の結婚をし、子供を1人作るが、離婚してしまう。

その結婚の前か後かは判然としないが、マルセロさんは姉のディカさんと付き合う。

でも二人は別れ、ディカさんは別の男性と結婚し、子供が二人できるが、のちに離婚してしまう。

妹のアナンダさんとマルセロさんが付き合い始め、あるときマルセロさんがアナンダさんの家に行くと、ディカさんが姉だったことに気づく。

ここまで話を聞くと、かつてのドロドロ関係のトレンディドラマを思い出すが、アナンダさんとマルセロさんはめでたく結婚し、一人の子供を授かった。前後関係は不明だが、マルセロさんはアナンダさんに、かつてディカさんと恋愛関係にあったことを打ち明けたという。

ある日アナンダさんはマルセロさんに聞いた。

「男としての最大の願いは何か」

それに対してマルセロさんの返答は「第二夫人を持つこと」だったそうだ。

それで、妻のアナンダさんは非一夫一婦制への道を歩むことを決意したという。それまで9年間一夫一婦制の夫婦だったのに、2019年に姉のディカさんに夫婦関係に加わらないかと尋ねたという。

話し合いの末、三角関係の夫婦が出来上がったそうだ。

筆者の勝手な想像だが、ディカさんは母子家庭で苦労していたのではないかと思う。優しいマルセロさんは義理の姉の窮状をどうにかしたいと思いつつ、アナンダさんの手前あまり積極的には助けられなかった。それを察したアナンダさんが「男としての最大の願いは何か」と質問したのではないか? これは筆者の勝手な想像だから事実ではないかもしれないし、もっと別の経緯かもしれないが、このようなことを考えてふと思ったことがある。

昔の日本の大家族だ。

人間関係は複雑になって面倒だが、母子家庭が母と子供だけでやっていくのはいろんな点で難しい。母がきちんと稼いでいても、子供の面倒はなかなか十全には見れないであろう。そんなとき、兄弟夫婦ともし一緒に住まわせてもらえたら、どんなに楽になるだろうか?
子供にとっても、孤独な時間が長いよりは、義理の兄弟と遊べて楽しいのではないか? そんなことを考えた。三角関係の夫婦になるまでもなく、一緒に住んでいれば互いに助け合うことができていいのではないか? 

でも、姉妹のあいだに嫉妬心が芽生えると、面倒なことになるだろう。それを、マルセロ、アナンダ、ディカの夫婦は、「非一夫一婦制の夫婦になる」と決めたことで乗り越えてしまった。三角関係を保つコツは、元記事を読んでください。

新しい家族形態がブラジルで注目されているというのは頷ける。

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