能登で記録的豪雨
9月22日にかけて注意してください。
ポーランドなどで洪水
ポーランドの新聞「The Warsaw Voice」では以下のように伝えています。
ポーランド南部で洪水が猛威を振るう
September 16, 2024
グルホワジーの橋が壊れ、ストロニエ・シロンスキエのダムが破裂し、少なくとも2人が溺死。これらは、チェコ共和国、スロバキア、オーストリア、ポーランドを襲ったオーデル川の支流の大量の降雨と河川の氾濫による被害である。オポーレ南部と下シロンスク地方では、9月14日以来最も悲惨な状況となっている。特にクロツコ盆地では、その日1,600人が避難した。
悲惨な状況はストロニエ・シロンスク県で起きており、昨日は継続的な水圧によりダムの構造が破壊された。ダムが決壊したため、ニサ湖からの放水量が増加し、ニサの状況は悪化した。市長は住民に対し、例えば高層階へ自主避難するか、危険区域外へ逃げて軍や消防隊の救助を待つよう呼びかけた。オポルスカ県グウチョラジでは、水流により仮設橋が崩落し、DK40道路で建設中の隣接する橋の構造も損傷した。
ラチボシュ・ドルニ洪水調節池が稼働を開始した。これはオーデル川の洪水をせき止めるポーランド最大の洪水調節池で、1997年の洪水後に建設が決定され、2020年に稼働を開始した。ラチブシュ、ケジェジン=コジレ、特にオポーレとヴロツワフを洪水から守るのが目的だ。「その容量は非常に大きく、1億8500万立方メートルで、これは国立競技場185個分の水を屋根まで満たせる量です。チェコ共和国からラチブシュへの流入量に関する最新情報を入手するため、チェコ側の水文サービスと協力しています。その上、この地域では非常に激しい降雨がありました」と、貯水池を所有する企業ヴォディ・ポルスキエの広報担当者、パウリナ・ピエルチャラ氏は日刊紙ルジェチポスポリタに語った。
ポーランドには120の乾式貯水池があり、そのうち22は下シロンスク地方にある。ストロニエ・シロンスク地方のツィエプリツェ、ソビエシュフ、モラフカ貯水池など、数日間の降雨で満水になったものもある。ニサ・クウォツカ川の水位はほぼ6.5メートルで、1997年の洪水時の水位に近かった。
ポーランド南部の状況は、大雨に加え、チェコ共和国からオーデル川を遡上してあふれた水によって悪化している。さらに悪いことに、オポーレと下シロンスク地方の気象予報は悪く、激しい降雨が予測されている。
大統領国家安全保障局(BBN)のヤツェク・シェヴィエラ局長は、チェコ当局によれば、チェコ側から始まるオーデル川流域を構成する河川の状況が悪化する可能性があると述べた。9月12日以降、南ヨーロッパからクロアチア、オーストリア、チェコ共和国、スロバキアを北上しているボリス低気圧は、豪雨をもたらしている。オーデル川に流れ込んだ余分な水は、北のバルト海に流れ込み、さらにチェコ共和国からの洪水の波がポーランド南部を襲っている。雨と川の支流の洪水により、グリヴィツェ近郊のA1高速道路だけでなく、ポーランド国境のハルプキ近郊のD1高速道路も浸水した。多くの路線で鉄道の運行が停止した。政府は、政府戦略備蓄庁を動員し、浸水地域に発電機、食料、飲料水を届けている。警察と軍のヘリコプターがクロツコ盆地の浸水地域から住民を避難させるために派遣され、軍はPTS輸送車両を派遣した。
当局は、洪水に関連して溺死者が2人出たと報告した。1人はクロスノヴィツェ出身の男性、もう1人はビェルスコ=ビャワ在住の男性だ。ドナルド・トゥスク首相は自然災害宣言を発令し、救助と洪水復旧のために財政準備金を動員すると発表した。ポーランドもEUの援助を申請する予定だ。
オリジナルテキスト Flooding rages in southern Poland The Warsaw Voice 24/9/16
PFASってなに?
東京新聞ではこのところ、PFAS関連の記事が続いている。
今年に入ってからの記事は以下の通り。
相模川支流の魚から340倍のPFAS検出 1週間に身を8g食べれば「健康リスク」も 京大と共同調査 東京新聞 2024/1/12 |
PFASの「摂取許容量」日本でも具体化 ヨーロッパの60倍超に、発がん性は「証拠不十分」 東京新聞 2024/1/26 |
アメリカ本国では「既に浄化を終えた」PFAS汚染 在日米軍基地では調査を制限 日本政府はいつ住民を守るのか 東京新聞 2024/2/4 |
PFASを漏出させても報告せず 米軍側の「やりたい放題」を可能にする日米地位協定 東京新聞 2024/6/16 |
政府がPFAS摂取許容量を決定、「緩すぎる」のパブコメに耳貸さず…原案通り「ヨーロッパ基準の60倍」 東京新聞 2024/6/25 |
多摩地域のPFAS汚染、小平市議会が請願書を採択 米軍基地の調査を市に求める 「調査は可能」と訴え 東京新聞 2024/6/29 |
「PFAS漏れ事故は『非公表』で」アメリカの要求に日本は従い、国民に真実を隠した…政府関係者が経緯明かす 東京新聞 2024/7/10 |
「アメリカ側からの情報は自治体に伝えている」 林芳正官房長官、PFAS漏出「非公開」合意と矛盾する主張 東京新聞 2024/7/10 |
<独自>在日米軍のPFAS汚染、対策費を日本政府が肩代わり 普天間飛行場で計2.7億円 周辺対策は沖縄県に押しつけ 東京新聞 2024/8/20 |
大阪PFAS汚染で血液検査 ダイキン工場より上流に住む人も「高い数値」 発生源は他にも?どこにでも? 東京新聞 2024/8/22 |
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PFASの問題が明るみに出たのは、2016年2月10日、沖縄の報道各社(沖縄タイムス、琉球朝日放送、2/11琉球新報)が報じたため。そのうち、琉球新報の記事がネット上に残っている。
発がん性物質、基地外に流出 消火剤噴霧、通告せず 嘉手納 琉球新報 2024/2/11
元々は英国人ジャーナリスト、ジョン・ミッチェル氏が沖縄で枯葉剤投棄について調べていてわかったこと。その経緯はこちらに詳しい。
https://www.jonmitchellinjapan.com/uploads/4/0/4/0/4040871/okinawatimes2015jan13-18.pdf
内容を丁寧に読むと、なぜ国内のマスメディアの腰が引けているのかがわかる。ミッチェル氏と東京新聞の記者魂には頭がさがる。
PFASとは、有機フッ素化合物の一種。一万種以上の物質がこれに属し、PFOS、PFOAもこれに含まれる。主な用途は以下の通り。
PFOS:泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、フォトマスク(半導体、液晶ディスプレイ)、写真フィルムなど
PFOA:泡消火薬剤、繊維、医療、電子基板、自動車、食品包装紙、石材、フローリング、皮革、防護服など
ただし、住宅用消火器にはPFOS、PFOAを含有しているものはないそうです。
_____________________24/8/25追記
PFOAをテーマにした映画が存在することを知人が教えてくれました。見応えのある映画です。Amazonプライムにあるので興味のある方はどうぞ。映画ではその毒性がどのようなものかを伝えています。筆者はなぜか結末部分が見られませんでした。途中で別の映画が始まってしまうのです。何度か読み込み直しをして最後に見られました。もし同じ現象が現れたときは、読み込み直ししてみてください。筆者は最初の表紙のページまで戻って読み込み直しをして、飛ばされてしまう場面の少し先から見ることでラストシーンを見ることができました。映画の主人公のように、「諦めるな」と暗に伝えられたようです。w
石垣島での自衛隊駐屯地建設について、住民投票が無視された件について
日本政府は辺野古新米軍基地建設と並行して南西諸島での自衛隊増強=南西シフトを急ピッチで進めてきた。2016年は与那国島、2019年は宮古島に陸自駐屯地が置かれ、石垣島にも2023年3月に石垣駐屯地が開設されている。
それぞれの島には、警備隊や沿岸監視隊のほか、ミサイル部隊の配備も進められている。
石垣島では建設が始まる前年(2018年)に、石垣市民たちによって駐屯地建設予定地の賛否を問う住民投票実施を目指す「石垣市住民投票を求める会」が2018年10月に結成された。
駐屯地建設地は石垣島の中央に位置し、水源地のひとつとして貴重な於茂登岳の麓であったため、市民から強い反発を招いていた。
防衛省から計画についての説明はほとんどなく、新聞紙面で計画を知った地権者もいたほどだった。
2018年8月、市民たちが陸水学や環境学の専門家を現地に招いて環境調査を実施した結果、「駐屯地建設予定地には上水道水源地や農業用水の取水せきがあり、自衛隊施設から流れ出す有害物質で汚染されてしまえば元に戻すのは大変困難であるため、環境アセスメントが不可欠」という結論に至った。
専門家らは石垣市に対して防衛省に環境アセス実施を要請するよう提言したが、市はこの提言に取り合わなかった上に、市議会で指摘された市条例に基づく生活環境や自然環境保全に関する市独自の調査もおこなうことはなく、駐屯地建設工事への着手を許した。
この駐屯地建設事業は「沖縄県環境影響評価条例」に基づく県の環境アセスメントの調査対象になるはず。 しかし、防衛省沖縄防衛局は、この改正条例が適用されるのが2019年4月以降に実施する事業であることを見越してか、その直前の3月1日に、経過措置に便乗する形で一部の造成工事に先行着手した。
その結果、駐屯地建設事業は適用対象外となった。
公共事業であるにもかかわらず制度の抜け穴をすり抜けるような法令軽視の態度に、住民の不満はより強くなった。
こうした背景で、石垣島に住む10代〜20代を中心に『石垣市住民投票を求める会』が結成された(2018年10月)。石垣市自治基本条例27・28条には「有権者<1/4>以上の署名で請求された場合、市長は住民投票を実施しなければならない」と定められていたので、市民たちはこの条例を根拠に有権者4分の1以上の法定署名を目標に署名運動を開始した。
期限は1か月、必要署名数は約1万筆。名前・住所・生年月日・押印が必要なのでハードルはとても高く、短期間でこれほどの法定署名を集めるのは難しいという声もあった。しかし、会は市長に実施義務を課すべく、市条例に基づく住民投票実施請求を目指した。
※日本の住民投票請求では「地方自治法」第74条の発議要件を参照するのが一般的。同法では必要署名数を有権者数の1/50に設定しているため、市条例よりも要件は緩いものの、会があえて「有権者の1/4」という高いハードルを課す自治基本条例に基づいて住民投票を求めたのは、署名数の要求を満たせば必ず住民投票が実施されるものであると確信できたから。
若い世代が中心になった運動に勇気づけられた島の人々が次々に運動に参加し、地元で選挙権を持つ高校生も自主的に署名に参加した。
署名運動は口コミでどんどん広がり、会のメンバーたちは得意のSNSも駆使して活動を紹介する動画を拡散、地元のラジオに出演し活動をアピールした。
地元スーパー「かねひで」に協力にしてもらい店頭での署名活動も展開。農業・畜産業従事者や会社員のメンバーは、毎日れぞれの仕事が終わったあとに個別訪問し署名をもらった。
署名集め終盤には、新聞に一面広告を出してより多くの人に呼びかけもした。
石垣市民に『あなたが好きな石垣島の風景』『あなたが好きな石垣島の人』の写真を募ったら、たくさんの写真や絵が送られてきた。一面広告の背景には、その写真や絵が使われた。ラスト5日を切ったころ、署名はまだ7,000筆ほどだった。
市民が団結して署名運動を広げた結果、なんと予想を大きく上回る約1万5,000筆が集まった。これは2018年当時の有権者数<3分の1>以上にあたる。署名数結果が発表された公民館では、多くの市民が喜びの声を上げた。
「これで住民投票は実施される」と誰もが確信した。
署名は2018年12月に石垣市長に提出され、石垣市長も「実施の方向になるだろう」と話した。署名は、選挙管理委員会の精査によって1万4,263筆が有効だと認められた。
にもかかわらず、石垣市長が住民投票を市議会に諮った結果、賛否が同数で拮抗したのち議長裁決に持ち込まれ、議長の「審議不十分により否決」との判断で否決された。
市長はこの市議会の否決を理由に、住民投票実施を拒否し続けた。
本来ではあれば、辺野古米軍基地建設の県民投票と同日に実施できるはずだった。
住民投票の会は否決した議員や議長、そして石垣市長たちと面談をしたが、議論は平行線を辿った。
市側の主張は「これは地方自治法での請求だった」や「石垣市自治基本条例での請求であっても実施義務は生じない」という内容だったので、住民たちはまったく納得できないという。
住民投票の会は、二度目の新聞全面広告を打ち出した。
「逃げるな、向き合え。」と市長や否決に回った議員たちに向かって訴えかけた。
1/4以上の署名を集めれば住民投票は実施されると信じて署名運動に奔走した市民たちの想いは踏み躙られてしまった。
石垣市は2016年に地元新聞の取材に対して、「議会の議決を必要とする条例の制定は含まれていない」との解釈を示し、「その数の署名が集まれば、市議会に諮ることなく、必ず住民投票を実施するというもの」と説明していた。
納得できない住民投票の会は、2019年9月に石垣市を相手に日本ではじめてとなる『住民投票義務付け訴訟』を那覇地裁に提起。訴訟にはお金も時間もかかり、その間に駐屯地は完成した。しかも、石垣市と住民投票を否決した市議は裁判中に無理やり住民投票条例27・28条を削除した。
1回目の『住民投票義務付け訴訟』は最高裁まで上告したが敗訴した。
しかし、これまでに類を見ない石垣市民の民主主義の挑戦をなかったことにはできない。
2024年現在、2回目の裁判となる『地位確認訴訟』を闘っている。
これは、“市民の投票の権利”と“市長の実施義務”を明らかにするための裁判だ。
これまでの住民投票裁判では、石垣市自治基本条例の制定に関わった関係者による「1/4要件は市長に実施義務を課すもの」という証言も証拠として提出している。石垣市民の住民投票請求には、市長に実施義務が課されていることは明らかだ。
このまま住民投票の権利が奪われたことを許してしまうと、住民自治と住民の権利を否定することにつながる。
那覇地裁や福岡高裁はこれまで、「行政訴訟の対象ではない」「削除された条例は審議の対象にできない」と訴えそのものを『却下』=門前払いして中身の議論に踏み込もうとしなかった。また、直近の2回目裁判の控訴審で、裁判所は「地方自治は間接民主制を基本としており、住民投票はその例外」だとする歪曲した憲法解釈を示して棄却した。
※国政は間接民主制だが、地方自治は首長選挙や住民投票など直接民主制を採用している。
2024年5月26日、弁護団は憲法学者の飯島滋明先生の意見書を添えて最高裁に上告書類を提出した。
2024年9月6日には、憲法学者や弁護士の方々と一緒に東京の最高裁判所へ要請行動をおこなう。
これが受理されるためには、住民投票の会の裁判を支持する多くの人々の応援が必要となる。要請行動の際、全国から集まったオンライン署名もあわせて提出する。
この一連の裁判での収穫は、争点のひとつでもある“地方自治法ではなく自治基本条例での請求”であることが認められたこと。
あとは市民の投票の権利と市長の実施義務があることを明らかにすれば認められる。
踏み躙られつつある日本の地方自治・住民自治を守るため、日本の民主主義において非常に重要なこの問題について、署名を求められています。
以上の文章は、change.org の「#住民投票は権利 上告へ、あなたの力を貸してください」にある文章を再構成しました。
八重山毎日新聞に掲載された記事。
進む自衛隊機能強化 石垣駐屯地、開設から1年
二酸化炭素濃度の上昇で世界の乾燥地帯が緑化し始めている
二酸化炭素濃度の上昇により砂漠化が加速すると言われていましたけど、実際にはその反対のことが起きているという興味深いレポートをイェール大学の環境学科が運営するYaleEnvironment360というサイトに見つけました。
タイトル
二酸化炭素濃度の上昇で世界の乾燥地帯が緑化
概要
気候変動により広範囲に砂漠化が起こるという警告があるにもかかわらず、大気中の二酸化炭素の増加により多くの乾燥地帯が緑化しており、最近の研究ではこの傾向は今後も続くと予想されている。しかし科学者らは、この増加した植生が希少な水資源を吸収する可能性があると警告している。
BY FRED PEARCE • JULY 16, 2024
“二酸化炭素濃度の上昇で世界の乾燥地帯が緑化し始めている” の続きを読むPFAS問題
本日、北海道千歳市の安平川から、基準を超えるPFASが検出されたとニュースが流れています。NHKによれば以下の通り。
安平川の水質検査でPFAS検出 ラピダスの工場で使用予定 NHK 24/7/16
よくわからないのは、半導体工場が建つので水質を調べたら、半導体工場から流れ出るかもしれないPFASがすでに基準値を超えて存在しているが、工業用水には問題がないとしているところ。それはそうかもしれないが、河川が毒物で汚染されるのに「いい」としているのは何とも不思議。
上流に上水道の浄水場があるそうで、そこの水質調査をするとのこと。早く調べた方がいいですよとしか言いようがない。
三日前には岡山県吉備中央町の円城浄水場から高濃度のPFASが検出されたため、町が地元企業に対して賠償請求をしていたニュースが流れた。以下の通り。
浄水場から高濃度「PFAS」原因疑いの企業に町が損賠請求…1億円超か 読売新聞byYahoo! 24/7/13
このPFASとは一体何かということをCBCニュースがわかりやすく説明している。
この騒ぎの大元は、沖縄の米軍基地からもれでたPFASが高濃度であったことから問題が露呈していった。
「PFAS漏れ事故」はいかにして漏れ出てきたか
東京新聞が以下の記事を昨日配信した。
「PFAS漏れ事故は『非公表』で」アメリカの要求に日本は従い、国民に真実を隠した…政府関係者が経緯明かす 24/7/10 東京新聞
PFAS問題は沖縄で2016年頃から取り上げられていた。当時はPFOSと表現されていたが、PFASは有機フッ素化合物の総称で、その中にPFOSも含まれている。
沖縄のニュースでは取り上げられていたPFOSの汚染について、沖縄以外で取り上げられることはほとんどなかったが、横田基地周辺の土壌汚染が明るみに出て、やっと取り上げられるようになった。
PFAS問題の事実を丁寧に積み上げてきたのは、沖縄の市民団体IPPプロジェクト。
長年にわたる地道な調査に拍手を送りたい。