ニューズウィークに、日本のマスメディアでは流れにくいと思われる記事を見つけた。以下に邦訳する。
新たな世論調査によると、ワクチンは予防するはずの病気よりも危険だと考えるアメリカ人が増えている。
7月1日から21日にかけて実施されたギャラップ社の世論調査によると、2024年にはアメリカ人の5人に1人がそう考えており、これは2019年の11パーセント、2001年の6パーセントから増加している。
データにはワクチンの安全性に対する懸念をめぐる政治的な分裂も表れていた。
ギャラップの調査によると、共和党員の31%がワクチンは予防対象となっている病気よりも危険だと考えている(2019年の12%から増加)のに対し、民主党員ではわずか5%(2019年の10%から減少)が同じ考えであることがわかった。
報告書は、「過去5年間で共和党員の小児用ワクチンに対する信頼は急落し、その結果、これらのワクチンが重要であるという米国人の全体的な信念が大幅に低下した」と指摘している。
報告書によると、アメリカ人の成人の13%が特定のワクチンが自閉症を引き起こす可能性があると考えており、これは2019年の10%、2015年の6%から増加している。共和党支持者はこれを信じる傾向が高く、共和党支持者の19%に対し民主党支持者の4%となっている。
この考えは、医学雑誌「ランセット」が1998年に発表した論文に端を発していると思われる。この論文では、イギリス人医師アンドリュー・ウェイクフィールド氏がMMRワクチンと自閉症の関連性を報告している。この研究はその後、同誌によって信用を失い撤回され、ウェイクフィールド氏の医師免許は剥奪された。
報告書はCOVID-19パンデミックの影響についても言及しており、ギャラップ社は、12歳未満の子どもにワクチンが承認されれば、COVID-19のワクチン接種を許可すると答えた共和党支持者(19%)は民主党支持者(90%)よりもはるかに少ないことを明らかにした。
報告書は「この政治的分裂は、民主党の公職者と党支持者が医療当局が提供するCOVID-19に関するガイドラインに従う傾向にある一方で、共和党の公職者と共和党支持者はその情報の信頼性に懐疑的であることが多いことを反映している」と述べている。
ギャラップ社の世論調査では、以前よりも子供のワクチン接種を重要視するアメリカ人が少なくなっており、子供がワクチン接種を受けることは極めて重要だと答えた人は2019年の58%から40%に減少していることも示されている。
調査対象となった民主党員と共和党員の間にも同様の格差がギャラップのデータのこの部分で示された。2024年には、共和党員の26%が子供のワクチン接種が非常に重要だと考えており、2001年の62%から減少している一方、民主党支持者では63%が重要だと考えており、2001年の66%からわずかしか減少していない。
オリジナルテクスト NEWSWEEK Americans Increasingly Think Vaccines More Dangerous Than the Illnesses 2024/8/9